もう皆さんはコロナワクチン💉という言葉を知らない人はいないでしょう。打っている人も多いはずです。しかしながら、ムスリムの国では宗教的な理由からコロナワクチンを打つべきか否かが議論されています。
それはムスリム地域において、コロナワクチンがイスラム的に許されるのかどうかという議論です。この議論ははじめインドネシアやマレーシアなど東南アジアのムスリム諸国で活発になりました。
この議論の要因は、コロナウイルス用ワクチンが「ハラル」なのか「ハラーム」なのかです。この「ハラーム」「ハラル」というのは、イスラム法(シャリーア)で許されているものがハラルであり、許されていないものがハラームであります。
日本でもハラール認証マークがついた食品などを見たことがある人がいるのではないでしょか。しかし、ハラール認証は食品だけでなく、医薬品も含まれるのです。
ワクチンで問題になるのは、原材料にハラームが含まれていないかどうかであります。ここで問われるのはアルコール成分の是非です。アルコールはハラームであり、アルコールは殺菌力が非常に高いため、食器や調理器具、従事者の身体を清潔に保つためには大変役立ちますが、アルコールが洗い流されず、飲食物に付着してムスリムの口に入る可能性があります。
ワクチンも直接打つものであるため、躊躇う人も多いのでしょう。
シンガポール政府の国民を対象にした調査によると、約35%がワクチン接種を拒否、または躊躇(ちゅうちょ)しています。理由として、「ワクチンの信頼性」への懸念のほか、「宗教上の考え」が含まれています。
コロナワクチンを打つか否かの問題は今でもありますが、そこには宗教上の理由もあるのです。
【参考文献】
・日経新聞「コロナワクチンはイスラム教の禁忌に触れるのか?」2021年1月5日。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/122800229/
・産経新聞「新型コロナワクチンはハラルか 東南アジアのイスラム教国で議論」
https://www.sankei.com/article/20201219-QWOUTG5XY5KZFLKCDW5RIS4BC4/?outputType=amp
・福島康博「Q &Aハラールを知る101問:ムスリムおもてなしガイド」2018年5月30日。
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