今回はイスラームにおける「児童婚」について紹介したいと思います。
児童婚とは、公式または非公式に未成年者と結婚することです。児童婚の慣習は貧困と文化的統合、重婚が背景にあり、家族によって取り決められます。
児童婚の慣習は現代でも続いており、広範囲に広がっています。具体的にはジェール、マリ共和国、バングラデシュ、中央アフリカであり、児童婚の割合は60パーセントを超えています。また、国際女性研究センター(ICRW)によると、発展途上国の少女たちの三分の一が18歳未満で結婚しています。
また、児童婚の背景には「古典イスラーム」の解釈が大きく関わっているのです。古典イスラーム法の一般的な解釈によると女性の結婚最低年齢はなんと、9歳です。驚くことに、あの有名なイスラームの預言者、ムハンマドも50代のとき、9歳の少女アーイシャと結婚しました。
また、児童婚という問題はイスラームの国々だけの問題ではなく、国際的な問題であります。なぜなら「紛争」がイスラームの国々の貧困問題などを引き起こし、児童婚が行われてしまう原因の一つをつくってしまっているからです。
この児童婚という問題は貧困、女性への暴力、中途退学、精神的ストレスなどの多くの問題の根底にあり、まだ若い少女から青春時代を奪うのです。
『一言』
「イスラーム」と聞くとほどんどの人は「怖い」「宗教のイメージが強い」などステレオタイプ化されてしまっているように思います。「イスラーム」と言ってもその実態はイスラームの国々や地域の状況によって大きく異なるのです。私たちが一旦イスラームへの固定観念を捨て、本当の実状を知ることが差別や偏見をなくす第一歩かもしれません。
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